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ディジョンは社内で利用する業務システムにAIエージェントを搭載し、業務の運用からなるべく人の手間を減らすという価値を提供できるベンダーです。
弊社は様々なプロジェクトの経験を通して、企業の中で動くSaaS・パッケージ・スクラッチの業務システムを見てきました。
その結論としてスクラッチ開発を選ぶべきなのは、次のいずれかに当てはまる場合であると考えています。
本記事では、社内システムを検討するときの主な選択肢である、SaaS・パッケージ・スクラッチ開発のうちどれを選ぶべきかについて、弊社の経験を交えて解説します。
スクラッチ開発による社内の業務システムの構築と運用は古くから行われてきた手法のひとつです。そこから汎用性を持たせたシステムであるパッケージ、さらに共通化して同じシステムをみんなで利用するSaaS、というようにシステムの調達方法は変容してきました。
古くからある手法であるが故にパッケージやSaaSを検討する方が良いのではないかと思われがちですが、やはりすべては適材適所、時と場合による部分が大きくあります。
今回ご紹介する3つの条件のうち1つでも当てはまる場合はスクラッチ開発を検討するべきであるだけではなく、直近のAI技術の進化によって、AIによるコーディングやドキュメント整備が飛躍的に進歩したことで、さらにスクラッチ開発が適合するケースが広がってきました。

パッケージやSaaS製品よりもスクラッチ開発を検討するべき場合のひとつは、「自社固有の業務が競争優位性になっており、既製品であればその業務の方法を変えなければならないとき」です。
パッケージやSaaSの業務システムは、多くの企業で使える標準的な業務フローをシステムとして実現しています。従ってその優位性は、非競争領域の業務をシステムベンダーが提供する標準のフローに合わせることで、業務フローの検討や整備の手間をかけずに一定水準以上のフローを実現できることにあります。
そしてその標準的なフローがあるがゆえに、同じ製品を多数の企業に導入することができ、コストメリットを享受できるという点もあります。
一方でベンダー側が定めた標準的な業務フローから外れた場合には、
といった、そのシステムでなければやる必要のなかった業務に時間を費やしてしまうことになります。
そしてその標準フローへのミスマッチが、自社の競争優位性に当たる部分(製造プロセス、プロジェクト管理、営業における行動管理、管理会計、etc.)で発生したときには、売上・利益率・QCD・法令遵守などの成果を大きく毀損してしまうことに繋がります。
たとえば、案件ごとの条件を踏まえて見積もりと採算を管理することで高い利益率を実現している企業では、標準的な見積もり機能では必要な計算項目や判断過程を扱えない場合があります。
この場合、現場担当者はパッケージやSaaSの外でExcelを使い、最終的な金額だけをシステムへ転記することになる、もしくはその従来行われてきたオペレーション自体を面倒がってやらなくなってしまうという可能性があります。
こうした「自社固有の業務を既製品に合わせると競争力が損なわれる」というケースでは、スクラッチ開発を選択肢に入れるべきです。
スクラッチ開発が既製品より優位性を持つ次のケースは、「ニッチな業界が故に、適合する製品がないとき」です。
前述の通りパッケージやSaaSでは、業界業種に合わせた標準的な業務フローをベンダーがシステムとして提供しているため、一定以上の適合性を見出しやすいという優位性があります。
しかしニッチな業界であれば、実際問題として選択肢になる既製品システムの数が少なく、自社に適合するパッケージやSaaSがそもそも存在しないケースや、あったとしても選択肢が限られており、自社に最も適した製品ではなく、必要条件の不足が最も少ない製品を選ばざるを得ないケースがあります。
そうなればやはりシステムの外で多数のExcelファイルを使うことになったり、不足する業務フローを実現するために別のシステムを導入したりと、追加のコストが発生してしまいます。
一方のスクラッチ開発では、実現したい業務フローや管理したいデータ、権限管理や帳票まで、実際の業務に合わせて設計できます。
もちろん、検討対象となる製品が少ないという理由だけでスクラッチ開発を選ぶ必要はありません。
業務上必要となる条件を整理した上で、それらを満たす既製品が存在しない、あるいは既製品を利用するための追加開発や周辺システムが大きくなる場合には、スクラッチ開発による社内システムの実現を検討すれば良いでしょう。
以下、弊社のニッチな業界・業種へのスクラッチ開発による導入事例です。

digeon.co
スクラッチ開発を検討するべき3つ目のケースは、「自社の業務に適合するパッケージやSaaSは存在するものの、長期的な総コストではスクラッチ開発の方が優れているとき」です。
パッケージやSaaSの導入において、ゼロからシステムを作っていく必要がないため、一般的には初期費用をスクラッチ開発と比較して抑えることができます。
一方で導入したら10〜20年など長期間にわたって利用することも多い業務システムでは、以下のようにスクラッチ開発の方がトータルのコストを抑えて使えることがあります。
また従来は初期費用を抑えられることが既製品の強みでしたが、CodexやClaude CodeなどのAIコーディングツールの台頭により、そもそも初期費用の比較の時点で、スクラッチ開発の方がコストメリットで上回るというケースも少なからず目にするようになりました。
これは実際に弊社が営業活動をする中でも感じることであり、コスト面では「従来型スクラッチ開発 > 既製品 > AI駆動開発によるスクラッチ開発」となっているような所感があります。
弊社が提供している「積み木開発」では、共通の使い回しができる部品を組み合わせてひとつのシステムを実現しています。この積み木開発では、CodexによるAI駆動開発を取り込んでおり、従来的な開発手法よりも大幅に開発工数を削減できる手法になっています。

弊社が実際に企業の業務システムを開発していく中で、単に「自社の業務に合わせて自由に作れる」ということ以外にも、スクラッチ開発ならではの利点を感じることがあります。
今回は以下の2点に絞って、スクラッチ開発の利点をご紹介します。

パッケージとSaaS製品は汎用性を持たせるために、「販売管理システム」や「生産管理システム」など、一部の業務を切り取った上で標準化して提供をしているものが多く存在します。
こういったパッケージやSaaSを中心にシステムを構成していると、
など、気付かないうちに様々なコストが積み重なっていきます。
特にシステムごとにデータが分断されると、いわゆる「データのサイロ化」が発生します。売上、原価、在庫、工数などを横断して確認したいだけでも、複数のシステムや部署からデータを集めて加工する必要が生じ、現場の業務効率だけではなく経営判断のスピードにも影響します。
一方のスクラッチ開発では、業務フローを必要に応じてひとつのシステムとして設計し、共通のデータベースとユーザーインターフェイス(画面)で運用ができます。
特にデータが繋がっていることによりデータの利活用が進めやすく、
などの実現に繋がります。

スクラッチ開発のもうひとつの大きな利点は、AIエージェントによる業務の自動化を前提にシステム全体を設計できることだと考えています。
これはスクラッチ開発に限らないことですが、従来のシステムは、人が画面を開き、データを参照し、データを登録していくことを前提に作られてきました。
しかし昨今のAIエージェント技術の進化により、人間ではなく、AIエージェントがシステム上のデータを集計したり、システム上の処理を実行したりするケースが増えてきました。
例えば弊社のプロジェクトにおける事例では、
といった業務をAIエージェントに代行させています。
このようなAIエージェントの活用は、もちろんパッケージやSaaS製品でも可能であり、APIなどの連携インターフェイスを提供しているシステム間では、AIのための連携機能を構築することで実現できます。
しかし、
といったケースでは、そもそも解決不可能である、もしくは莫大な開発コストがかかることがあります。
スクラッチ開発によって業務データがシームレスに連携され、AIエージェントから利用するためのAPIや権限まで含めて設計されていれば、既存システムを個別に連携していく場合と比較して、AIエージェントを業務へ組み込むハードルを大きく下げることができます。

弊社では、これから新しく業務システムを構築するのであれば、「人が画面から操作すること」だけではなく、「AIエージェントがデータを参照し、業務を実行すること」まで前提として設計するべきだと考えています。
AIエージェントを後から既存システムへ継ぎ足していくのではなく、人とAIが同じ業務データや機能を利用できるシステムを最初から構築できることは、これからのスクラッチ開発における大きな優位性です。
本記事では、SaaSやパッケージではなく、スクラッチ開発を検討するべきケースについて解説しました。
特に、
といった場合には、スクラッチ開発も選択肢に入れるべきだと考えています。
また近年では、AIコーディングによって開発コストを抑えやすくなっただけではなく、業務やデータをひとつに集約し、AIエージェントによる業務の自動化まで前提としたシステムを構築しやすくなっています。
もちろん、すべての業務をスクラッチで構築する必要はありません。
SaaSやパッケージとスクラッチ開発を適材適所で使い分けながら、自社に最も適したシステム構成を検討することが重要です。
ディジョンでは、既存システムの刷新からAIエージェントを前提とした業務システムの構築までご支援しています。お気軽にご相談ください。
著者


山﨑 祐太
山﨑 祐太
山﨑 祐太
山﨑 祐太
山﨑 祐太
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